2011.6.27(mon)

6/25に今季2度目となる仕事がらみの美術館、画廊巡りをしてきました。

まず向かったのが東京都現代美術館。ここでは「名和晃平 -シンセシス-」と、「MOTコレクション」のサイレント・ナレーター“それぞれのものがたり” を観る。

名和晃平さんは74年生れの若手現代美術作家。ビーズや発泡ポリウレタンを素材とした立体作品(鹿やモモンガ?、巨大な人物など)や、プリズムを使ったインスタレーションなどが展示されていましたが、どれもスケールが大きくて見応えも充分。展示の流れ(順路)にやや不満が残りましたが、全体の印象としてはまずまずでした。

次に「MOTコレクション」を観覧。印象に残ったのは特集展示の石田尚志さんの作品。制作における運動性をテーマにしたビデオ作品は作者の恐ろしいほどのバイタリティを感じさせる秀作でした。

 

次は現美から国立新美へと移動して「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクションを観る。

現美の現代美術からガラッと変わって油絵を中心とした定番の名画を観賞。土曜日のためか、はたまた名作揃いのためか会場は大混雑。立ち止まって観るのもままならぬほどの混雑ぶりでした。

ここのところ現代系の作品ばかり観ているせいか、モネ、マネ、セザンヌ、ゴーギャンなどの作品がどれも不思議と新鮮に見えてくる。特にジョルジュ・スーラの「オンフルールの灯台」という作品は画面構成的にも色彩的にも大変刺激的でした。笑

 

美術館の次は銀座の松屋へ。ここでは知り合いのジュエリー作家の北さん、賀来さんご夫妻が展示即売中。植物や水滴などをモチーフにしたネックレスなどのアクセサリー類は、工夫された展示空間の中で一層輝いて見えました。いつものことながら、繊細で根気のいる作品群に脱帽です。

 

銀座の次は飯田橋の「ギャラリースペースパウゼ」へ。このギャラリーでは職場の同僚でもある宮坂省吾さんが個展を開催中。テキスタイル出身の彼の作品は、基本的には自身で染めた布を平面支持体に貼り込むというものですが、支持体の地の部分とのバランスを計算しながら絵画的イリュージョンを生み出すというユニークな表現手法を取っています。展示は作品数も充実していて綺麗にまとまった空間を演出していました。

 

最後は新宿で開催中の「未来抽象芸術展」へ。このグループ展へは、茨城県日立市の詩穂音のオーナーで私がいつもお世話になっている小峰力さんが出品。昨年も観に来た展覧会なのですが、会場が特殊(ビルの半地下と地下1F?を繋いだスペース)なためか、展示作品に少々まとまりが無いためか、正直見づらい感がありました。頑張っている小峰さんの作品があまり見栄えがしなかったのが残念でしたね。

 

930に出発して全て観終えたのが夜の700過ぎ。さすがに疲れ果ててしまいましたが、仕上げは私が主宰する絵画教室の展覧会の打ち上げに参加。1時間近く遅刻してしまいましたが生徒さん達は何故か上機嫌。後で聞いたら展覧会の評判が予想以上に良かったからとのこと。笑

楽しかったのと疲れたのとで最後はすっかり酔いが回ってしまいましたが、ホントいい一日でした。

 

下に掲載の写真は左上から順に、現美のエントランス、名和晃平さんの展示風景、石田尚志さんの展示風景、国立新美のワシントン・ナショナル・ギャラリー展、松屋銀座の展示風景、小峰力さんの展示風景、四季の会(私が主宰する絵画教室)展覧会風景2カット、そして、昼食で食べた清澄白河「日吉屋」の深川丼です。笑

 


勝利に沸くFC東京サポーター
勝利に沸くFC東京サポーター

 

2011.5.8(sun)

本日、我がFC東京の試合観戦に味の素スタジアムへ行ってきました。

屈辱のJ2降格後、実はこれが初参戦となります。開幕から5試合目の参戦は、真のサポーターを自任する私としては甚だ不本意ではありますが、ちょっと言い訳をさせてもらうと震災の影響が少なからずはありましたね。

まあ、理由はどうあれ“ダメサポ”の烙印を押されぬようこれからしっかり応援していきたいと思っています。

試合の方は我がチームが1-0と辛勝。ここのところの低迷ぶりを象徴するようなぎくしゃくした試合運びに相当フラストレーションが溜まってしまいました。結果的に勝ったからいいようなもののこの先にかなり不安を残す試合内容でした。とにかく色んな点で立て直しが急務だと感じました。

それにしても、相手の「カターレ富山」はJ2に昇格して間もないほぼ無名に近いチームなのに、現役日本代表の今野選手を擁する我がチームがこんなにも苦戦を強いられるとは、サッカーというスポーツは怖いものだとつくづく考えさせられました。

現在J2所属の20チーム中7位。J1昇格の3位以内を目指して、というよりもJ2優勝目指して頑張れ!我がFC東京!

   


たまらん坂
たまらん坂

 

2011.5.2(mon)

本日5/2は清志郎の命日。

カミさんと朝1000過ぎに家を出て“多摩蘭坂”へ向かいました。

清志郎が亡くなって丸2年、早いものでもう3回忌になるんですね。

 

行く途中に心ばかりの花束を買い、新緑が眩い中をゆっくりと歩いて行きました。

この多摩蘭坂には清志郎の墓はもちろん住んでた家すら無いのに、昨年も一昨年も清志郎を慕う大勢の人達が訪れて、花を手向けたり歌を歌ったりして在りし日の清志郎に想いを馳せています。

“たまらん坂”と書かれた道標のある所に到着すると、既に何人かの人達が花や飲み物等をお供えしていました。

我々も花束を供えようとしていると、近所のおばさんらしき方がわざわざペットボトルに水を入れて持ってきてくれて、「これを使って活けなさい」と親切にお世話してくれました。そして「今日が命日なの?」と尋ねてきて、「ええ、そうです」と答えると、「皆さんご熱心ねぇ・・・私は知らないけど随分といい方だったんでしょうね・・・」と。その言葉を聞いただけでまた私の中に熱いものが込み上げてきてしまいました。

反核・反原発をポリシーに我々に本当の勇気を与えてくれた清志郎、あなたのご冥福を心よりお祈りいたします。合掌

 

多摩蘭坂でのお参り(?)を済ませた後、カミさんとブラブラと散歩がてらのウォーキング。

カーナビの品定めのためにオートバックスへ立ち寄ったり、その近くの谷保天満宮へお参りしたり・・・。

5月の陽射しと心地よい風はホント気持ち良かったですよ。

   


ビョルン・メルフスのインスタレーション
ビョルン・メルフスのインスタレーション

 

2011.4.30sat

昨日仕事がらみで久々に美術館巡りをしてきました。

まずは国立新美術館の企画展示室での「ARTIST FILE 2011」と銘打った現代作家8名による展示を観覧。この企画は2008年から毎年開催されていて今年で4回目とのこと。

外国人作家を含む8名は普段あまり聞いたことがない作家達(私が無知なだけかもしれませんが。笑)でしたが、全体的に見応え充分でとても良い展覧会でした。

作品は作家ごとにブースで仕切られて展示してあり、扱うメディアも様々(絵画や陶芸、インスタレーションなど)で、国立新美の企画展示にしてはかなり自由度の高い開かれた展覧会だと思いました。我々もこういう展覧会を是非見習わなければいけませんね。笑

特に印象に残った作家(作品)は、ビョルン・メルフス氏のインスタレーション(写真参照)と岩熊力也氏のアクリルによる平面作品です。

 

次に同じ国立新美で「シュルレアリスム展」を観る。ゴールデンウィーク初日ということもあってかかなりの人混み。閑散としたARTIST FILE展とはえらい違い。やはり“知名度”というものはこんなにも集客に影響するものなのかと何だか切なくなってしまいました。

それはともかく、展示の方は各年代のシュルレアリスム・グループを5つの章(テーマ)に分けて、そのグループおよびテーマに属する作家達の作品をそれぞれ紹介するというもの。

ともすると難解で近寄りにくい印象のあるシュルレアリスム作品を、誰にでも解り易くかつ楽しんで観てもらいたいという館側の配慮が感じられてとても好感が持てました。また、無料配布のポケットガイド(リーフレット)なるものも、聞き慣れない用語の解説などで役立ってくれましたし。笑 

それにしても、“シュルレアリスム宣言”のアンドレ・ブルトンが約40年間に渡って最も重要な役割を担っていたとは驚きでした。商売柄、美術史に関しては割と詳しい方と自負しておりましたが、知らないことがまだまだ山のようにあって、そんな意味でもこの展覧会は改めてシュルレアリスムの、いや美術界全体の難解さと奥深さを再確認させてくれましたね。笑

 

最後は「上野の森美術館大賞展」を観に上野へ。

現在多摩美へ通う元教え子が同展へ入選したとの連絡をくれ、チケットも送ってくれていたのでした。

閉館まであまり時間が無かったために駆け足での観覧になってしまいましたが、元教え子の作品だけはじっくりと観てきました。笑 テーマも絵柄も当時とそれほど変わっておらず、いい意味でのこだわりを感じてとても嬉しくなりました。これからの活躍も大いに期待したいところです。

 

ということで、震災以降途絶えていた私の美術館・ギャラリー巡りが仕事がらみとはいえ復活しました。

今、少しずつ活力が戻りつつあるのを実感しています。

   


玉川上水の遊歩道
玉川上水の遊歩道

 

2011.4.20wed

昨年の4/19よりスタートした「徒歩通勤」が、昨日をもって丸1年となりました。
途中、7/258/25の夏期講習期間中はサマータイム出勤(通常より30分早い)のため自転車通勤でしたが、それ以外は全て徒歩のみで通い詰めました。

なにせズボラで堪え性の無い私ですので、始めた当初は 一か月持つだろうか・・? と不安でしたが、万歩計の累積歩数や通勤途中の日常風景(行きかう人々や季節の花々)などもに助けられて、何とかここまで続けることが出来ました。それと、12月から始めたダイエットも大きな後押しになりましたねぇ。笑
今振り返ると、1年は恐ろしいほどにあっという間でしたね。 まあそれだけ歳を取ったということでしょうな。笑

万歩計のトータル歩数はおよそ240万歩。1カ月平均20万歩といったところでしょうか。 
それを距離に直すと、100万歩が約700㎞ですので1680㎞ということになります。 
これは東京から日本の最南端、沖ノ鳥島までの距離に相当するようです。ちなみにこの沖ノ鳥島は東京都に属するそうですが。笑

ダイエットの方は12㎏減まではスムーズだったのですが、あと3㎏がなかなか減らなくて苦戦中デス。笑

今年度の目標はサマータイムも全て徒歩を貫き、ダイエット目標数値の-15㎏を達成することです。そんなに力説するような目標じゃないッスね。笑

写真は新緑の玉川上水です。今年から水曜日の絵画教室へ通勤する時にこの遊歩道を歩いてます。

   


散乱する屋根瓦
散乱する屋根瓦

  

2011.4.6wed

4/14の日程で実家の様子を見に福島市へ行ってきました。
車に水やお茶、カップ麺などの保存食とガソリン20ℓ入りの携行缶を積んで自宅を出発。
東北道は予想より空いていましたが、地震で壊れた個所の補修工事が今も行われており、それによる片側車線規制や工事跡の凸凹が激しいために結構走りにくく、福島県に入ると壊れた屋根をブルーシートで覆う家々の姿が目に飛び込んでくるといった状況でした。
走っている車両は被災地へ向かう援助隊の車や支援物資を積んだトラック、ガソリンを運ぶタンクローリー車等が多く、行楽地へ向かう観光バスや家族連れの一般車はほとんど見かけませんでした。しかも休憩で立寄ったサービスエリアでも、みんな緊張しているというか笑顔は無かったです。
少し愚痴っぽくなりますが、4/1から実施予定だった「高速道路一律2000円」が、この震災で廃案?もしくは延期?になったのか、行きも帰りもしっかり正規料金を取られてしまいました。(こんな時だからこそ、せめて東北道だけでも多少割り引いてくれてもいいようなものを・・・。遊びに行く訳じゃあるまいし。政府のやることは矛盾だらけです。ホント何やってんだか)

実家到着後にまず驚いたのは、壊れた屋根瓦があちらこちらに散乱状態だったことでした。瓦が壊れ落ちたことは電話で聞いていましたが、まさかこんなにひどい状態とは想像してなかったのでちょっとショックでした。それに家の内外の壁やタイルがひび割れたり壊れ落ちたりしていて、片付けたり修理したりするのもひと苦労でした。
また、翌日参ったお墓では結構な数の石碑や石灯籠などが倒壊しているのを(幸い我が家の石碑は無事でした)目の当たりにし、「震度6強」というのはこんな感じなのかと今回の地震の凄まじさを改めて実感しました。

母親はまあまあ元気でいてくれましたが、地震発生時に転んでしまったらしく腰やヒザの具合が悪いようで、立ったりしゃがんだりがかなりしんどそうでした。普段から行動的で綺麗好きの母親なだけに、思うように動けないのが気の毒でした。(散らかった瓦を放置していたのも納得でした)
6
年前から入院中の父親の方は、病院が鉄筋造りの新しい建物だけに地震による直接的な被害はほとんど無かったようでした。ただし断水にはかなり悩まされたようですが。

今回大きな被害を受けた東北3県の中で、最も深刻な状態なのが我が福島県だと思います。それは言うまでもなく今現在まさに放射能の恐怖にさらされているからです。皆さんも周知の通り、東電や政府の対応のまずさで状況は悪化する一方であります。こうしている間にも、福島の美しい空や大地、そして海にまで放射能をどんどん撒き散らしています。実質的な被害もさることながら、風評被害も深刻さを極めています。早く何とかしないと本当に取り返しがつかない状態になってしまうでしょう。
地震発生から4週間弱。放射能漏れの危機感も当初よりだんだん薄れてきているように感じるのは気のせいでしょうか?全ての数値は日に日に上がってきているというのに、我々みんな不感症になってしまったのでしょうか?「喉元過ぎれば熱さを忘れる」式に楽観視してしまってるのでしょうか?もしそうだとしたら益々心配です。

福島から戻って丸2日間・・・今でも精神的なショックが大きくて、身も心もずっしり重たいです。大好きだけど苦手な春が、今年は尚更切なく感じます。